2014/01/13

ジョセフ・ゴードン=レヴィット初監督作品『ドン・ジョン』観ました。

日本では3月15日公開のジョセフ・ゴードン=レヴィット初監督作品ドンジョン


Rotten Tomatoesによるとお客さんの感想はマアマア程度なのですが、レビュアー方の批評が高い!というわけで、拝見したのですが、ホントびっくりしました。欧米のレビューはウソではなかった! はい、この役者さん、ホントにちゃんとわかっている人なんだと思いました。

【お話は…】Don Juan(ドン・ファン。1号は例のオペラのせいでドン・ジョヴァンニと言われるとピン!ときます。…ですが! そうかジョニー・デップが「ドンファン」って映画やってたんですね 。し、しつれいしました)の現代版を意図したDon Jon。
女性にはことかかない人生を送る一方、ポルノ鑑賞とそれをオカズにした”ガス抜き”がやめられません、止まりません。だって(コレだと見つけた)ポルノは(現実とちがって)裏切らないもの。ナマの女性は何かしら期待を裏切ってくれますし…とお持ち帰りしちゃった女の子と”用を足”した後、ベッドに残してポルノをご愛視聴、という日々を続けていました。
そんなある夜、ジョンはこれ以上ない極上の女性バーバラ(→スカーレット・ヨハンソン)と出会います。「コレはぜひいただきたい!」ジョンはいつもの調子でお持ち帰りを試みますが、スルリと逃げられてしまいます。バーバラは意外(?)と堅実でコンサバ(?)で本気の恋じゃなければキスすらしないタイプの女性だったんですね。目的が満たされないともっと盛上がってしまうのは自然で、ジョンはFacebookでバーバラを見つけて、ランチに誘います。そしてついにバーバラと本気の恋愛を始めることになるのですが…(汗)
 今までの生活では、やりたい放題、自分を中心に価値観が規定されていてあたり前だったジョンが、バーバラと”真面目な“交際を始めることで、”自分”を出すスペースがだんだんなくなっていき…。

【ビックリしたこと:構成がすんばらしい】
映画なんですが、シットコムの基本構成を基盤として持ってきているんです
具体的に言うと、ジョンの行動をパターン化しています。夜クラブでゴーゴー/ジムに行き身体を鍛える/ベッドをキレイにする/教会へ車を走らせて行く、などなど。このお決まりのシーン(同じシーンの使い回しではない)を回転させていくことで、観客が
TVシリーズのように長期間視聴しないと得づらい登場人物への愛着や期待を得ることができるんですね。まさに「シットコム効果=期待する笑い」を見事に作り出していました。コレはすごい!です。マジで。

【そんなわけで、セリフが生きます】
キャラクターに愛着が湧くとないとでは、セリフの面白さが全然異なりますね。それは例えばBBCシャーロックでもみなさま、実感してらっしゃるのではないでしょうか。「ドン・ジョン」も何度かジョンの行動パターンに馴染んできたころから、日曜日に教会へ行く車のなかでの罵倒に、ぶふっとなったり、ジムで身体を鍛える際に呪文を唱えるようにブツブツつぶやいているところでぶふっとなったり、教会帰りに立ち寄る実家でかわされる父子の会話にぶはっとなったりするわけです。すごいです。しっかり計算されつくしています。


【男子のホンネは、見もフタもない赤裸裸っぷり?】
いや、男子じゃないので、わからないのですが、かなりいさぎよく、素っ裸になったな(→いえ、心情の話です)と、思いました。イケメン俳優さんなんですよね? ファンの引く手あまたな俳優さんなんですよね?コレ、女性ファンの方によっては、ドン引きしちゃうんじゃないでしょうか? っていうくらい、身もフタもないホンネをモノローグしてたと思います。そのいさぎよさに、好感度が上がりました。

【ロマンスの描き方も、繊細にしっかりと描かれていました】
これは、もしかしたらクレジットはジョンの恋愛人生に多大なる影響を与える役を担ったジュリアン・ムーアに行くのかもしれないですが…。バーバラ(ヨハンソン)ともう一人登場する女性(ジュリアン・ムーア)との「ロマンス」の違いって、とても「ワビサビ」で、微妙かつセンシティブだと思うのです。が、見事にその違いを抽出して表現していたな、と思いました。ロマンスの観点からいくと、この映画のキモ部分である一方、すごく難しいと思いましてん。細かく書いてしまうとネタばれになるので、口チャックします。とにかくこの点も非常に注目です。

しかし、コレってホントにジョゼフ・ゴードン=レヴィットが一人で作ったのでしょうか。(→す、すみません 汗)小さな頃からこういう世界で生きていると、自然と身に付く技術と度胸なのでしょうか。共演(50/50)だけでなく脚本でセス・ローゲンとタッグを組んで欲しいなぁ。と心から思います。

そんな「ドン・ジョン」、日本公開の3月15日より、ぜひ映画館へ行ってみてください!
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