2014/04/22

主な出演者マーティン・フリーマンさん&ビリー・ボブ・ソーントンさん、コーエン兄弟の超名作をベースにした米TVシリーズ「Fargo/ファーゴ」が傑作な件に関する雑記

米FXTVより2014年4月15日から放送開始となったTVシリーズFargo。コーエン兄弟の制作による1996年の名作映画「Fargo」をベースとしたドラマを
マーティン・フリーマンさん、ビリー・ボブ・ソーントンさんがメインキャストとして出演するということで、放送前から大変注目を集めているTVシリーズですね。英国では、米国よりもちょっと遅れて4月20日よりChannel 4 にて放送が開始となりましてん。コレに関してアレコレ浮かんだことをメモしておきます。みなさまお楽しみにしていると思いますので、あらすじには触れませんのでご安心ください



【これまでのお話】
イヤ、正直ですね。コーエン兄弟の映画「Fargo」現役世代で、今までいわゆる「リメイク」とか「リ・イマジネーション」とか言われる作品で、少なからずイタイ目に遭って来たエンタメ・ファンは、尻込みをするか、心の準備を周到にしてから慎重に視聴に挑むか、周囲の反応を観てから視聴するか、といったリアクションだったのではないかと思います。それだけコーエン兄弟の「Fargo」はすごい作品なのです。
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身の毛もよだつ恐怖と思わずブハっと笑ってしまうユーモアが肩を並べて共存する世界。アレだけの作品を”ベース”にわざわざTVシリーズをこさえる意図と価値はあるのだろうか…。1号も制作のニュースをきいたときから眉毛がコイル巻でした。TVドラマFargoはそんななかでの、放送スタートでございます。

【Fargoとは】
超の上をいく名作「Fargo」のおかげで、すっかり「Fargo=コーエン兄弟の映画Fargo」というイメージになっている印象がUrban Dictionaryから見受けられますが(少なくとも、人生でアメリカ滞在期間のべ10日間しかない1号は、FargoときくとUrban Dictionary通り、スティーヴ・ブシェミが雪のなかでぼやきながらホニャララしている絵図をまっさきに思いうかべます)
ところがですね、第1話を観はじめてすぐに、そうだ、よくよく考えたらFargoって、ノース・ダコタの町の名前だったんだ、と実感できる内容だったんですよね。コレはコーエン兄弟の映画「Fargo」ではなく、コーエン兄弟の作り出した世界を抱えたノース・ダコタの町「Fargo」に住む人々のコーエンちっくな物語(→…こ、こわ〜〜〜い…汗)なのだ、と。そうしましたら、

Fargo is an American television anthology dark comedy-crime drama series created by Noah Hawley based on the 1996 film of the same name written and directed by the Coen brothers. (wikiさんより

の意味がストンと理解できましてん。さらにマーティン・フリーマンさんのガーディアン紙のインタビューにて

”I had no interest in being in just a TV version of the film. As Billy Bob Thornton said: "If it was called Detroit, you'd still have to want to do it."

と語っていたりChannel4でのインタビューにて

”...The tone of the TV show is set by Noah Hawley’s scripts, which obviously are influenced by the Coen brothers, and I always go on whatever script I’m working on at the time."

と語っている意味が具体的にどういうことなのか、非常にクリアにわかりました。つまり、コーエン兄弟の映画がベースだけれども、別ものとして成り立っているTVシリーズだと証明する第1話だったんですね。あちこちで高い評価を受けているのも納得です。

【オリジナルFargoを知らない人には、ちょっとネタバレ?】
現役Fargo組は冒頭一発目、クスっと笑ってしまう、粋なトリビュートになっていますね。1号は粋だ!と思いました。ちゃんと年代も変えている 笑 (オリジナルを未見の方、ここで笑いをスポイルしてしまってごめんなさい。)

【アメリカだからこそできた?自分らしい役で”Tim from the Office”の殻を破ったマーティン・フリーマン】
ええ、ですから、いまだに言われるわけです。 もうほぼお約束ギャグですよね。でもフリーマンさん自身もおっしゃってますが、第一に俳優であって、コメディアンじゃないんですよね。ですから、そんなお約束ギャグは、上手にリアクションするスキルはありこそすれ、俳優のキャリアで考えたら足かせ同然なんじゃないでしょうか。
フリーマンさん扮するレスターは、うだつのあがらない保険のセールス員なんです。成績がよくないと昇進も昇給もない。奥さんにはイヤミを言われ、デキる弟には劣等感を抱き…という、じつは超想定内な役柄なんですよね。実際コレ、The Robinsonsでやってますもんね。ところが、イギリスとは異なりneo realismな(→世の中は無法地帯。自分の身は自分で戦って守れ。詳しくはKenneth Waltz/ケネス・ウォルツ氏の人間・国家・戦争: 国際政治の3つのイメージ などをどうぞ)アメリカが舞台なおかげで、想定内のキャラなのに、今までにない想定外な言動に走ってます。ハマり役なのに、意外なんです。見事なキャスティングと言われているのは、コレか!と思いました。

【んでもって、気になるフリーマンさんのアメリカ語】
ノース・ダコタのこの辺りのアクセントって、世間のイメージと違ってあまりクセがないそうですね。(→ソースはwikiさんの映画Fargo 頁です。違っていたらどうかツッコンでやってください)そのせいでしょうか、淡々とした感じのアメリカ語でしてね。フリーマンさんは、役柄のせいなのか、アメリカ語を話しているせいなのかわからないのですが、声のトーンがいつも聞く声より高くてですね。自分に自信がなく脅えてキョドキョドしている、jumpyなその動きと、声のトーンで、あんまりクセのないアメリカ語を話すもんですから、両指を合わせながらもにょもにょ喋るウディ・アレンとか、ビフにいじめられるマーティ・マクフライが頭に……汗。マーティン・フリーマンさんのアメリカ語に慣れてない自分が悪いんです。前述のとおり、まさにハマり役でしたし、自然かつ納得のお仕事っぷりでしたから。何話かすれば慣れてきて、レスターとしてのみ見えてくるんだと思います、はい。

日本でも人気の非常に高いマーティン・フリーマンさんがご活躍するTVドラマですから、日本でもTV放送やDVD発売は近い将来に保証されている気がしてなりません。早くどこかから確定がでるとよいですよね!
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