2014/02/15

マーティン・フリーマンが出演し話題となった2013年映画「Svengali(原題)」3月21日よりUK劇場およびオンデマンド公開。DVD発売は4月7日!

http://svengalimovie.com/svengali-release/

2013年6月にレポートしました、マーティン・フリーマンが中古レコード屋主人となって出演する映画「Svengali」がようやく3月21日よりUK劇場公開決定したようです。DVD発売は4月7日。(日本のAmazonさんでは、まだお取り扱いがない様子)
Svengali [Blu-ray] [2013] [Region Free]




前はこちらでトレイラーが観れたのですが…(汗)取り除かれてます。。。
http://www.edfilmfest.org.uk/films/2013/svengali 

本作についてレポートしたときの記事はこちらです。

http://blog.geekyguidestoenglish.com/2013/06/svengali_22.html

http://blog.geekyguidestoenglish.com/2013/06/svengali.html

http://blog.geekyguidestoenglish.com/2013/06/svengalix.html

2014/02/01

トム・ヒドルストンさんとマーク・ゲイティスさんが舞台に立つシェイクスピア劇「コリオレイナス」観ました。

【はじめに】
夜の部を鑑賞に行きましたが、ステージドアでのファンとの交流はありませんでした。そのため、画像が何もありません。(→毎回違う理由で画像がない感想ばかりになっておりますが 汗)今回、特記したい件がありましたので、その理由などは下方に書いています。


コリオレイナスはご存知のとおり、最後のシェイクスピア悲劇といわれておりますね(→売り文句)。他のシェイクスピア劇に比べると頻繁に上演されないほうに入るのではないでしょうか? という印象です。映画ではレイフ・ファインズさん&ジェラルド・バトラーさんの 英雄の証明 [DVD] がありますですね。
本も筑摩書房さんからでております。

シェイクスピア全集 14 (14)コリオレイナス (ちくま文庫)

1号、今回初めてコリオレイナスを観劇しました。(→素人シェイクスピアです。おまけに予習の時間をとれませんでした…汗)

【お話は…】ものすごく簡略してしまうと、古代ローマの時代、隣国ヴォルサイのローマ占領を防ぎ、首都コリオライを征服した将軍ケイアス・マーシアスは、その功績を称賛されコリオレイナスの名をもらい執行官に任命されます。が、貴族&軍人である彼の考える「国のため」と民衆の考える「国のため」は根本的に世界が違うため、ブルータスとシキニアスを代表とする民衆から支持されず、ローマから追放される形に。アレだけローマのために頑張って隣国から守ってやったのに、コレかよ、とコリオレイナスは復讐の念をメラメラと燃やし、宿敵であるヴォルサイのオーフィリアスのもとへ。ともにローマを滅ぼそうとするのですが、母親と妻子が直々にコリオレイナスのもとへやってきて、お願いだ、やめてくれ、と懇願するんですね。心打たれてしまったコリオレイナスは、ローマとの和平を結ぶと決断。ローマは救われますが、それを受けて「何言っちゃってんのよ!」とオーフィリアスが(当然)怒るわけです。裏切りを犯した形になったコリオレイナスはオーフィリアスの仲間により殺されます。

えんど、終ります。

【すごく、わかりやすかった!】 
何が、すごくよかったかといえば、このシェイクスピア劇が、コリオレイナスの悲劇と同時に複数の政治概念について表現しているのだ、ということが、ストンとクリアに見えたことです。

つまりですね、乱暴に要約すると(*定義だと言っていおりませんのでくれぐれも!ご了承願います。脚色を入れてます)

●コリオレイナス=Elitism =デキる者/選ばれた者が政治を行うべき。だってオレたち一般人よりもずっと優れた教育受けてるんだから、オレたちのほうが上手にできるに決まってる。分かってない人が出る幕じゃないでしょう。ひっかきまわさないでください。
●ブルータスとシキニアス=Democracy=みんなのための政治なんだからみんなでやるべきでしょ。みんなの意見を尊重して、みんなが納得できるようにいい感じで擦り合わせするもんでしょ。独断と偏見でみんなを見下し無視するのはやめてください。
●コリオレイナスのお母さん=リアル政治家の立場にたったリアル政治=民主主義下においてよく見かける権力に対して野心を持った「民衆にイイ顔して支持率あげて、執行官として認めてもらいなさいよ!(なっちまえばこっちのもんよ!)」っていうアレです。

それぞれの政治概念の利点と問題点が、コリオレイナスの悲劇を通してものの見事に描かれているのだ、と体感できたのは、とてもよい経験でした。脚本を読んだり、解説を読むだけではできない、芝居ならではの”体感”です。エリザベス女王からジェームズ1世へ王位が継承されてまもない1608年頃に執筆されたと言われるこの物語の舞台が、古代ローマなのも瞬間で合点が行くほどでした。

その一方、コリオレイナス個人の悲劇としてきちんと際立つようにも脚色がほどこされていたと感じました。ウィキさんなどでは、奥さんとの関係(その意味するところ)は希薄、と書かれているのですが、政治概念を体現するほどパーソナルな感情とは縁遠いキャラのコリオレイナスが、パーソナルな感情で足下をすくわれる、という演出効果を出す役になっていたと感じます。
現在の世の中の戦争や紛争について、権力争いなのか、政治や宗教の違いがもとなのか、親戚、家族、生活を奪った敵への憎しみや復讐がひたすら積み重なっているからなのか、といった深く絶望的な問題を思い起こさせられました。腕を組みながら、うーむ(苦)と口をへの字にして、鑑賞しておりました。

【舞台演出について】一番最初に舞台上に赤いペンキで四角を描くんですね。コレが全体的にキュっとしまった何かを意味していると推測していたのですが、謎でした。関連してなぜ?(汗)と思った点がありまして。ぜひNT LIVEでよく流れる制作側の意図やインタビューでお勉強したいと思っています。

【マーク・ゲイティスさんは?】コリオレイナスの父親的な存在の友人メニーニアス役を演じていました。1号にとってゲイティスさんは、良い意味でこの悲劇の箸休め的な存在でした。非常に彼がここ近年作り上げてきた”イメージ”の枠内にいる、ハマリ役でした。

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【観劇終了後…】ドンマーはステージドアが出入り口らしく、終了後表に出たらば、黒山の人だかりができていました。ディズニーランドの(なんでもランドに例えてすみません 汗)行列みたいでびっくりしました。ほどなくセキュリティの人が「みんなトムのためにここで待っているの?そうだったら、話したいことがあるんだ」と。大勢の人々に囲まれて彼が言ったことは、「ココにずっと待っていても、ここにトムがでてきてファンとのサインや握手の対応はしない。それをさせられない状況にある。僕はそれをさせないようにしなければいけないんだ。理解をしてもらえず力ずくで中に入って行こうとしたりしたら、僕も力ずくでそれなりの対応をとらなければいけない。これは僕が決めたことではないということは了承してほしい。」と、出待ちをしないで帰るように丁寧に指示を出していました。あきらかに、「体調が悪い」とか「この短期間だけ」のことではない語り口調と空気です。なんだかとっても気になったので、ちょっとだけgoogleに頼ってみました。するとこんなタンブラ記事を発見したのです。

 http://claireyfairy1.tumblr.com/post/71902086315/so-about-the-tom-hiddleston-fans-at-coriolanus
 (2014年1月1日付けです)
”Because tonight I have witnessed the worst stage door behaviour I have ever seen.  ” (要約:出待ち人生で最悪の振る舞いを目撃した)

”Queue jumping or pushing in - apparently many of Tom Hiddleston’s fans do this. And even when told to go away, they don’t go. I watched the security guard move on a lot of people. When it came down to the last five he spent about 10-15 minutes arguing with them to move. (要約:を押しのけたり横入りしたり、文句を言っても誰も言うことをきかない。警備の人の言うことをきかない)

”And some ーーーwoman ーーーーーwas saying how once Tom came out she was just going to rush over anyway, because yeah, let’s all fuck off the security guard. (要約:”トムが出て来たら、とにかく猛ダッシュする。”と、警備なんてクソくらえ的なことを言っている女性がいた)

……。こんな目に警備さんやヒドルストンさんが遭っていたなんて…。

せっかくよいお芝居を観たのに、なんだかとても後味の悪い結果となってしまいましたなんでしょう、とてもショックでした。みなさまと一緒で、普段暗黙のルールすらも守る真面目な日本人なだけに、非常にショックでした。ヒドルストンさん、いやな思いをしてないことだけ、心から祈ります。警備の方、ご苦労さまです。