2014/11/19

マーティン・フリーマンが英人気コメディキャラクターによる音楽ネタのモキュメンタリーに登場します。


放送日は12月9日よりとなったそうです。

色々考えた結果、この番組について説明しようとすると、いつまでたってもマーティン・フリーマン情報までたどりつけず、きっと誰も読んでもらえなくなると判断しました。断腸の思いで、大幅にカットします(涙)

もともとBBCがウエブサイト上で新しいコメディを、と展開していたプロジェクトから生まれたキャラクター、ブライアン・パーン/Brian Pernと、彼が案内する音楽ドキュメンタリー、という設定で展開するモキュメンタリーから始まりました。2014年の始めに
BBC4にて新エピソードが放送。今回はその続編になります。リアルなミュージシャンやロックスターと、英国民中に絶大な人気を誇るミュージシャン・キャラ(注:リアルではない)がごちゃまぜ、リアルな英国ロック/ポップ史と完全なネタとごっちゃまぜにして展開するので、UK音楽に詳しい方のほうが、リアルとネタの区別がつきやすいと思います。

【このキャラを作った人は…】
英ベテラン芸人サイモン・ディ。90年代中旬から後半に英国中に大ブームを巻き起こした「FAST SHOW」というキャッチフレーズがベースのスケッチコメディ番組のレギュラーだった人です。また番組制作や共演者には、FAST SHOWつながりの芸人さんが多く名を連ねています。
ちなみにこの番組、ジョニー・デップの大ファンの方なら遭遇したことがあると思います。米ではまともに放送されていなかったのに、この番組があまりにも好きすぎて、出演を懇願し、ゲスト出演したというクリスマス特番エピソードがあるからです。




【ブライアン・パーン/Brian Pernのキャラについて】
昔EMIと4百万ポンドでレコード契約を交わしたものの大して数字が伸びなかった上に契約通りにアルバムを制作していない(カルト的人気の)プログレバンド、Thotchのリーダー。ロックの歴史を語る案内人として音楽ドキュメンタリー番組に出演し、契約について素知らぬフリしてきたけれど、ついにEMI側が怒って起訴する、とかいっておるらしい。どうも今回はこのThotchの(犬猿の仲の)面々が(イヤイヤ)集結=再結成し、Jukebox Musical (既存曲を用いてミュージカルを作ること。マンマ、ミーヤ!とかウィーウィルロックユーとか)の制作に入るっぽいです。そして、この状況をカメラが写すドキュメンタリー…という名のスプーフになります。

【修正:Radio Timesによるマーティンの役どころ】


だそうです。
このスプーフコメディの監督(で芸人さんなんですけど)リース・トーマスさんは昔からマーティンとよく知った仲。マーティンは激忙だから、まさかオファーにオッケーしてくれるとは思わなかった、と語ってますね。撮影は例のリチャードIII上演時期で、負傷してたときだったらしいですね。
しかし、この記事を読めば読むほど、完全にUKコメディファンの心をくすぐる内容っぽくて、早く観たくてしょうがありません。ジャック・ホワイトホール君とのからみもかなり楽しみです。放送は12月9日からだそう。マジで楽しみです。

2014/11/16

カンバーバッチさんのThe Imitation Gameは地球上にひっそり生息するカンバーバッチ病未感染者を根こそぎ撲滅する映画です

(注:あらすじは、eiga.comさんが書いている以上に書いてないです。アラン・チューリングさんについても書いたらネタバレになる、となったらコワいので書いてないです。というわけで、かなりネタバレにならないように気をつけてますが… 書いちゃってたらごめんなさい。もしだったら、警戒してください…)


あまりにも評判がよいのと、トレイラーですでに泣いていたので、公開の週末に無理矢理いってきました。

The Imitation Game



第二次世界大戦、ドイツナチ軍の攻撃を受けて大ダメージを受けるイギリスを守るため、天才数学者アラン・チューリングさんが選ばれた才能高き仲間とともに、ドイツ軍の作った暗号機エニグマを読み解こうとするドラマですね。彼はリアル・ヒーローなのか、それとも…?という緊迫の胸痛ドラマ。日本では2015年3月より公開されるとか?(ギャガさんの配給とか?)

本当は政治的観点からみた駆け引きの面白さや、政治的バックグラウンドを持ってしてわかる○○さんのこのセリフ、的なところをお話したいのですが、あまり細かく書くと「ネタバレテロ攻撃!」と怒られるという話をきいているので、喋らないでいようと思います(汗)とくに、アラン・チューリングさんについて話を書いちゃったら、ものすごく怒られちゃうんですよね? なので、だまります…
ただ、ですね。
メインは第2次世界大戦が舞台の話ですので、この時代のヨーロッパ政治、とくに誰が誰と同盟を組んでいたのは何を恐れていたからなのか、イギリスが「今そこにある危機」と「今そこにある危機よりもじつは恐れている危機」をわかっていたほうがすんなり登場人物の言動に納得できると思います。たしかにパーソナルな人間感情だけでも涙と鼻水がズズっとなる感動作なのですが、そんなメロドラマ以上に絶賛される理由の一つは、登場人物の肝心なシーンでの言動が戦中のイギリス(国際)社会政治がしっかり反映された上での言動にあると思います。
 
 また当時のイギリス社会、とくに女性の社会的地位や当時のタブー問題など、人と”違う”ということが、個性としてリスペクトされるどころか、イジメやScapegoat といったネガティブな結果を招くという事実…たしかに、現在でも決して珍しい話ではないですが、やはり刑罰を与えられるレベルだった当時は、現在の先進国ではあってはいけないとされる非人道的かつ不条理な社会ではないでしょうか。イギリスはここ最近色々と騒動が立て続けに重なり、とくに女性/ゲイ/人種差別問題に敏感になっているので、男性が暗号解読者の1人だったエリザベス(キーラ・ナイトレイさん)への失礼な発言をした際、「URGH!」「BOO!」といった声が一世に劇場内に響き渡っていました…

 ちなみに、この映画の原作者さんはアンドリュー・ホッジズさん。彼のウィキさん情報を拝見すると、この作品およびアラン・チューリング氏を非常に内側から理解して書いてらっしゃる方なんだなとわかる、そんな方のようですね。チューリングさんの思考回路にホッジズさんが同化しないと、この絶妙なユーモアやアイロニーそしてどん底の哀しみが幾重にも重なり合うレイヤーは生まれないのではないでしょうか。その原作を反映した素晴らしい脚本だと思います。[ 追記:Deadline.comでこの脚本が2011年のブラックリストだったという記事を発見しまして、映画のとあるシーンに壮絶にオサレな趣向が凝らされています!】 & 監督さんのモルテン・ティルドムさんはノルウェー出身でTVドラマで過去作品は少ないけれど、全部当ててる方ですね。(→未見ですみません)

 【肝心の?! カンバーバッチさんですが…】
単刀直入にずばり。カンバーバッチさん扮するアラン・チューリングさんなのに、アラン・チューリングとしてしか見れなかったのが、すごかったです。しかも、アラン・チューリングさんって、今までカンバーバッチさんがこなしてきた役柄やご本人自身の生い立ち、人となりをベースとして作り上げられた”イメージ”(→ファンの皆様の進化して加速し続ける想像からくるものも含まれます)と、オーバーラップする人でいらっさると思うんです。ああ、チューリングさんをカンバーバッチさんがやるのか、わかる。っていう、イメージのかぶり方だと。ところが、カンバーバッチさんがチューリングさんを食うどころか、チューリングさんの中に消化され、チューリングさんとして光りを放ち、魅力を発揮し、愛されキャラとなっていた。
いわゆるカンバーバッチさんブランドの「かっこいい」はまったくないんですよ。でも、コレ愛さずにはいられないでしょう。アラン・チューリングさんと喜怒哀楽を分かち合う愛を持たずにいられないでしょう。たしかに脚本が素晴らしい。けれど、前述のとおり、セリフに現れない「わびさび」がこの作品にはまき散らされている。それをすべて具現化するのは役者であり、カンバーバッチさんの静なる演技に、すごいな、と本当に思いました。

 【その他備考】
(ぼ、ボッソリ…)ろ、ローリー・キニアさんが何をやってもかっこいいです…。あ、あとマーク・ストロングさんってワテクシ 



これがディフォルト設定だと思ってたんですが、上に髪の毛が乗るバージョンってあったんですね!!! (汗)
マシュー・グードさんは、グッド・ワイフに出てらっさるようなので、人気なのかしら?とっても好感の持てる役でした…
あとですね、キーラ・ナイトレイさんは本当に美しくチャーミングだったです…。

とりあえず、こんな感じですーーー。