2014/03/29

レイフ・ファインズ、ジュード・ロウ、ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントン他豪華すぎる競演「グランド・ブダペスト・ホテル」鑑賞☆ウエス・アンダーソン監督&シンメトリー祭り絶賛開催中

 http://www.foxmovies.jp/gbh/
日本公開は6月の予定。さすが固定客の多いウエス・アンダーソン監督作品、日本上陸も着実です。(あらすごい。もう字幕ついてるんですね!)


この作品のスゴさ、超越したクオリティの高さ、非の打ちどころのない完璧さをお伝えするのに、ストーリー説明も、ネタバレもまるで必要ありません。(注:日本のウィキさん情報ではホテルのコンシェルジュと若い従業員の交友を描いた作品。とか書いてありますが、ちょっと随分違うと思います。上のリンクにある公式サイトの作品紹介をご参照ください。)キーワードは「symmetry/シンメトリ」。

じつは鑑賞前に友人のデザイナーさんより以下のリンクを教えてもらいましてん。
http://www.openculture.com/2014/03/the-perfect-symmetry-of-wes-andersons-movies.html
このおかげで、今までなぜウェス・アンダーソン監督作品に惹かれていたのかを紐解ける、まさにEurika!モーメントを得たのですが、この知識を持って「グランド・ブダペスト・ホテル/The Grand Budapest Hotel」を観ましたらば…

これは!!!!!
エンタテイメントを超大手美術館に展示するべきレベルのビジュアル・アートへと昇華させた映画なのだと全身で実感できる作品でございました!!

必ずセンターにフォーカルポイントを置き、そこを中心にすべてを配置する。その緻密さだけでも脱帽のレベルなのに、さらに口を5本指すっかり飲み込むくらいあんぐり開けちゃうほどすごいのは動く役者さんです。例えばAからBへと移動する位置もすべて細かくバミってるんじゃないかと疑いたくなるくらいの精密さなんです。1フレたりともシンメトリを基軸に配置したすべてを崩すことがないんです。コレだけ動きに制限をつけられた役者さんらが、その”制限”を「ウエス・アンダーソンの映画」の一貫したイロとして表現していることが驚愕の域を超えています。どの役者さんがとくにすごい、のではなく、エキストラの役者さんを含め全員すごいです。

この映像がグルーヴィなのはシンメトリー効果だけではなく、もう一つ動きの「リズム」にあります。音楽担当は以前もアンダーソン作品に貢献しているオスカーノミネート歴ありのアレクサンドル・デスプラ氏。彼が作り出すバロック式のリズムにシンクロしてすべてが動くんです。カメラワークやだけじゃなく、役者さんがマニュアルでリズムにシンクロして動き、セリフを発するんです。完璧なシンメトリーの映像で、セリフの運びを含めすべてがリズムにシンクロして動いたら、どれだけグルーヴィーか想像していただけますでしょうか? はい、その100倍は軽くグルーヴィなんです。

さらに、この2ビート、4ビートを細分化したリズムというズレのおかげで、超絶な笑いを生み出す。過去「天才マックスの世界」や「ロイヤル・テネンバウムス」「ライフ・アクアティック」「ダージリン急行」他味わってきたウエス・アンダーソン節の真骨頂が全方位で堪能できます。あの笑いのしかけは、こういうことだったのか!と再認識できることを200%保証します。

こんなにアートを感じながら涙を流して笑える作品はそうそうありません。その美しさに身震いしながら、その精密すぎる完璧主義に感動しながら、涙を流してゲラゲラ笑う。それが「グランド・ブダベスト・ホテル」です。

絶対に観てください!!
2014年6月、日本の洋画ファンはアートの醍醐味を味わいながら腹を抱えて笑います。

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