2013/09/20

2011年ベスト英映画と呼び名の高かったオリヴィア・コールマン&ピーター・ミュラン&エディ・マーサン出演映画☆「思秋期Tyrannosaur」

2011年サンダンス映画祭でワールドシネマ賞を受賞した「TYRANNOSAUR」。 邦題「思秋期」となってDVDリリースされております。 最近TLでよくこの映画を話題にしていらっしゃるエンタメファンの方が多いので、以前別所にてあげていた記事をこちらに移して、アップします。
 

2011年でも東京国際映画祭で上映されていたんですね
「Dead Man's Shoes」(ショーン・メドウズ監督)でぶっちぎりのパワフルな演技を見せつけ、「ホットファズ/俺たちスーパーポリースメン」ではボケの笑いでキラリと光り輝き、そして「The World's End」はメインキャストの一人として活躍のあのパディ・コンシダインが、初監督したドラマです。



パディ・コンシダインは味があって、深みがあって、重みがあって、とっても好きな役者さんです!!てかシェーン・メドウズも大好きなんです!(違)

パディが監督したから大変興味があったことは事実ですが、どうしても観たいと思ったのは、やはり オリビア・コールマンとピーター・ミュランが主演という部分。 そしてもう1人、エディ・マーサンというクセのあるアクのつよ~~~~~~~~~~い、果てしなく強い役者さんが共演しているという。 エディ・マーサンはマカヴォイ君主演の「フィルス」でも、ブルースのバディ的存在だったブラッドリー役の、じつは注目の! 役者さんです。(追記:The World's Endですっかり日本でも人気の役者さんに?!) しかしながら18禁なので、日中の、子育て時間外で上映してなかったんですね(汗)見事に観そこないまして。 先日FOPPにてお手頃価格で販売されているのを目撃し、ゲットしてしまいました。 この映画、本当に皆さんに観ていただきたいので、 極力ネタばれしないようにしたいと思います。 とても辛くて痛い映画です。 何度も観るのに、とても勇気が必要なテーマを取り扱っています。 が、ケン・ローチやシェーン・メドウズ、(ゲリー・オールドマン監督作の)「ニル・バイ・マウス」、アラン・クラークなんかをを彷彿とさせる硬派でパワフルで社会派なテイストなのです。この辺りのイギリス映画が好きな方なら、絶対に絶対に名作だと叫ぶだろうという自信があります。



以下はあらすじと感想です。 トレイラーはこちら


【あらすじ】
家族なし、職なし、恋人なし、親友は病で寝たきりで意識も不明。孤独に苦しみ世の中の不条理を恨んできたジョゼフ。愛犬を蹴り殺してしまうほど怒りをコントロールできない人です。ある日チンピラの怒りを買い、襲撃された経緯から、チャリティショップで働くハンナに救われます。でも人の優しさや温かみを素直に受け入れられないところまで心を閉ざしていたジョゼフは、ハンナに「どうせ、お前は人生を平和に幸せに暮らしてきたヤツだろう。高級住宅街に住むお前がわかったふうな口きくな」と毒を吐いてしまいます。ハンナは深く傷つきボロボロと涙をこぼすのですが、それはジョゼフの言っていることが図星だったからではなく、別の理由がありました。ハンナもジョゼフのように、自分を理解してくれる人が周りにおらず心も体も苦しみ続けていて……。
(以下は、DVD特典についていたメイキングの冊子も参考に書いています)

【ベースにあるのは、パディの少年期の経験】
ミッドランド(→バーミンガムとかあの辺)で生まれ育ったパディが少年時代に両親を通して観たり聞いたりしてきたことがベースとなっているそうです。ロケ自体は北イングランドのLeedsなぞで行ったり、アクセントもフラットな標準イギリス英語や北なまりのイギリス英語とさまざまにして、実話なのでは?と思われないようにする演出がされています。
でも、マジで、もし部分的にでも実話だったら。。。(号泣)

そんな内容です。

【ハンナ(オリヴィア・コールマン)の心情について】
ハンナはあらすじでもお伝えしたように、一見温厚で幸せなように見えて、じつは、おぞましい地獄に耐え忍んでいる女性です。しかし、心も体もズタボロになっているのに、逃げません。逃げればいいのに、助けを求めればいいのに、と思うのに、そうすることができないでいます。
 オリヴィアの内に秘めた感情の出し方があまりにも秀逸すぎて、賞をとるのも納得というか、これ、賞をとらなきゃだめでしょう、くらいな勢いです。が、ゴリゴリ硬派で、オープンに感情を語らないイギリス映画なので、ハンナのような女性について予備知識がないと、胸の奥までブスっとドスっとつきささりづらいかもしれないです。
そこで、おすすめしたいのが、やはり


そして この本です。


なんですが、この邦訳タイトル、コレ(汗)意味違うじゃん!!(汗)
なんでこんなタイトルにしちゃったの?! 
何コレっ?! いや、多少の意訳とか、誤訳は誰にでもあることと思っているので、いちいち目くじらたてたりしないですけど、この本にそんな希望に満ちあふれたタイトルつけるって完全に違う読者を読んじゃいます!

(す、すいません、この邦訳タイトルがあまりにヤバすぎるので原書をおすすめしたいところです…)

ぶっちゃけ、個人的にはこの本を読んでいたおかげで(ラッキーなことに!)イギリスのハンナみたいな女性の生きる社会に関する事前知識ができました。なかったら、ここまでグっと来ただろうか。。。というか理解できただろうか。。。う~む。と、とにかく、オリヴィア・コールマンが超お気に入りの(コメディ)女優さんになっております。

【ピーター・ミュランの18番ともいえる役柄】
だなぁ、と思ったら、パディはピーター・ミュランに捧ぐ、とこの脚本を書いたそうです(笑)もう彼以外ではスクリプトが出来上がる前から、ありえなかったっと。ちなみにオリビアに関しても「ホットファズで知り合って、色々話すうちに絶対に将来一緒に仕事をすると本能的にわかっていた」そうで、ハンナはオリビア以外には考えていなかったそうです。しかし、「ホットファズ」で「ピープショー」でブレイクした女優さんを見て、「彼女はこの役(ハンナ)にぴったり」と思ったパディ、あんたはすごい(汗)

【最後に、、、】

エディ・マーサン、コワイ!!!
鬼コワイ!!!

以上です。ぜひぜひぜひ未見の方はみてください。


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