2013/06/18

ネタバレなしのぶっちゃけレビュー:血迷いすぎたガイ・ピアースを観たい方にオススメ "Breathe In(原題)" @Edinburgh International Film Festival

2013年サンダンス映画祭で評判のよかった「Breathe In」。サンダンス映画祭発で近年注目を集める若手監督ドレイク・ドレマスと超注目若手女優フェリシティ・ジョーンズが、「今日キミに会えたら」(原題:Like Crazy)に続いて再びタッグを組んだ作品です。(そしてガイ・ピアース主演、、、といっていいのかな、コレ?) 

 辛口批評サイトROTTEN TOMATOES が今のところ86%という好成績。サンダンス映画祭の評判をモロ反映しているせいだと思います。今年のエディンバラ映画祭にてオープニング上映となっており、選考委員の間でも相当気に入られている様子。というわけで早速スクリーニングに行って来ました。
[STORY...]
舞台はNYから車で約1時間半ほど遠ざかった湖畔沿いにあるウエスチェスター。高校で音楽を教えるキース(ガイ・ピアース)は、奥さんと高校生の娘と3人暮らし。チェロ奏者として充分な収入を得たいという夢を抱きつつ、教師という職業と二足わらじを履いている。郊外に住むことで比較的裕福な生活も保てていた。幸せで何の波風もない日常が続くある日、しばらくイギリスからの交換留学生ソフィー(フェリシティ・ジョーンズ)を預かることになる。どちらかというともの静かで、何か思い詰めた様子のソフィー。キースの音楽の授業に参加するはずだったのに、1回目からすっぽかし、科目を変更したと言い訳をしたり。半ば強制的に参加を言い伝え、いざ自己紹介の代わりにと彼女にピアノの腕前を見せてもらうことに。イヤイヤピアノの前に座った彼女ですが、ピアノを触ったとたん豹変&周囲も驚愕。彼女、とんでもないピアノの才能の持ち主で……。

と、ここまで見たところで、「あら?これはソフィアはじつはピアノの天才ホニャララとかで、じつは誰にもいえない暗い過去があり、キースが彼女を立ち直らせていく、音楽根性物語系なのかしら?」という気がしないでもない展開です。アレ?このテンションは?と疑い始めたときに、ソフィーが持ってきたスーツケースに忍ばせている「ジェーン・エアの本 」その次には「(ナボコフの)例の本」をカメラがさくっとなめていきました。
そうか、そっちか!(爆)
盛大なる勘違いだったことが判明ですよ、奥さん!そして物語は泥沼づくしへとまっしぐらでございます。
すごくキレイです。寸止めの演出がとても上手な監督さんで、この寸止め技術は「トワイライト(1作目の原作)だな」と思ったくらいです。(→褒めてます)さらにこれくらいはっきり「問題は一線を超えるかどうかじゃねえんだよ」っていうお話になっているのも、興味深かったです。上手にmidlife crisisやteenage、夫婦の問題なんかを絡めて取り扱っていた。
こうした点がなんだか昼メロアワーズみたいな話でも、昼メロとは一線を画しているじゃないか、という好評価を得る要素かと思います。さらにいうなれば、ガイ・ピアースのキャラは、ある意味オトコの幻想といっても良いかもしれないです。
しかしですね、この作品は観客の鑑賞モードによって評価がわかれる作品ではないかと思います。Geek1号は、運の悪い(?)ことにブルーカラーなパンクスピリッツが絶賛メラメラ燃焼中なせいか(汗)、ナボコフの本が見切れたその瞬間、ぶっ。って吹いちゃいまして。ガイ・ピアース扮するキースのレベルを超えて爆走する血迷い方は、パンクなココロの俺にはギャグでした。例をあげるとネタバレになるので口チャックさせていただきますが、キース、それはサルにでもバレるから!(汗) その無防備さ加減、オカシイから! 

そんなわけで、GG2E的おすすめポイントは1.血迷うにもほどがあるガイ・ピアース 2.かわいいフェリシティ・ジョーンズ 3.ドロドロの泥沼劇場の3点です。

トレマス監督作品がすでに上陸していることから、日本公開しそうな気がするので、ぜひ公開の暁には楽しんでいただけたらと思います。(ええ、楽しいですよ)

映画祭のチケット情報や英語での説明はこちら
http://www.edfilmfest.org.uk/films/2013/breathe-in


監督はフィルムを惜しみなくまわしてくれるようで、とてもリラックスした空間を作ってくれる、と俳優2人は絶賛していますね。
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